カズ・ヒロさんが第92回アカデミー賞でメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞しました。
カズ・ヒロさんは2018年にも同賞を受賞し2年ぶりの二回目の受賞となります。
カズ・ヒロさんは会見で「日本文化が嫌になってしまった」と、このように語っていました。
なぜ日本文化が嫌いになってしまったのでしょうか。
辻一弘さんが国籍を変えてカズ・ヒロに改名した理由
カズ・ヒロさんは会見で、日本での経験が生かされたかを聞かれ、このように答えました。
「こう言うのは申し訳ないのだが、私は日本を去って、米国人になった。(日本の)文化が嫌になってしまい、夢をかなえるのが難しいからだ。それで(今は)ここに住んでいる。ごめんなさい」と語った。
2年前の2018年、カズ・ヒロさんがアカデミー賞を受賞したとき日本人名の「辻一弘」の名前で受賞しています。
その一年後の2019年3月に米国籍を取得し、日本国籍を失いアメリカへ帰化しました。
それに伴い名前も「辻一弘」から「カズ・ヒロ」に改名しました。
カズ・ヒロさんはこの2年前の受賞の時に「日本を代表して」「日本人として初の」のような言われ方をされたのが不快だったとのことです。
日本代表のように勝手に祭り上げられるような風潮が嫌だったのかもしれません。
その上でこのように語っています。
「日本人は、日本人ということにこだわりすぎて、個人のアイデンティティが確立していないと思うんですよ。だからなかなか進歩しない。そこから抜け出せない。一番大事なのは、個人としてどんな存在なのか、何をやっているのかということ。その理由もあって、日本国籍を捨てるのがいいかなと思ったんですよね。(自分が)やりたいことがあるなら、それをやる上で何かに拘束される理由はないんですよ。その意味でも、切り離すというか。そういう理由です」
https://news.yahoo.co.jp/
日本人として、というよりも個人としての存在で何かをやりたかった。
そのために日本国籍を捨て日本人というこだわりを切り離したとのことです。
海外暮しをしたことのある人から聞いたことがありますが、海外で暮していると国籍や人種の異なる人たちと日頃接するので自分のアイデンティに気づく事があるといいます。
もともとそのようなことに悩んでいたようですが、日本国籍を捨てたことで余計なことを考えないようになったそうです。
カズ・ヒロさんが日本文化が嫌いな理由は?
国籍を変えて名前まで変えた上で日本文化が嫌いと言っているわけですから、何か相当な理由があったように感じられます。
カズ・ヒロさんが特に明確に日本文化が嫌いな理由を言っていたわけではありませんが自分なりに検証してみました。
同じくインタビュー記事でこのように語っています。
「日本の教育と社会が、古い考えをなくならせないようになっているんですよね。それに、日本人は集団意識が強いじゃないですか。その中で当てはまるように生きていっているので、古い考えにコントロールされていて、それを取り外せないんですよ。歳を取った人の頑固な考えとか、全部引き継いでいて、そこを完全に変えないと、どんどんダメになってしまう。人に対する優しさや労りとかは、もちろん、あるんですけど、周囲の目を気にして、その理由で行動する人が多いことが問題。自分が大事だと思うことのために、自分でどんどん進んでいく人がいないと。そこを変えないと、100%ころっと変わるのは、難しいと思います」
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日本の社会は古い考えに縛られて進歩できないと言っています。
日本の文化が嫌いと言っているのはこのことなのではないでしょうか。
たしかに日本人はどちらかというと個人主義的な欧米人に比べると集団主義とよく言われてきました。個人より公が優先され、周囲の目を気にして、そのため個人の行動が制限されてしまう、そういうところが嫌いなのではないでしょうか。
こちらは一昨年前のアカデミー賞受賞後のインタビューですが
「とりあえず自分の心を正直に見出して、やりたいことを確実にやること。他人の意見を聞くなと。先生や兄弟、親に聞くとアドバイスをくれるけど、一番大事なのは自分であり、自分で決めてやっていくこと。あとは10年続けること。海外で1か月以上住んでみるのも大事。そして自分を信じること。日本人の悪い癖は、自分を信じないこと。そこは直したほうがいい」
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「日本人の悪い癖は、自分を信じないこと」自分というのは個人ということでしょう。
「日本で一番になっても世界に比べたらたいしたことないんですよ。だから、出るべきなんです。僕が日本の学校で教えているときに言うのが、絶対に一か月は海外で生活しろと。外へ移るとかそういうことではなくて、外の世界を知ると、いろんなことが見えてくるので。日本のありがたみも、何が悪いかっていうのもわかりますし。あと、日本人の性格的に、敷かれたレールを生きるのはうまいですけど、そこから出るのはなかなかできないと思うんです。・・・
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月並みな言い方ですが、日本人が井のなかの蛙で、海外に出れば見えてくるものが違うのでしょうね。
その上で日本のありがたみがわかる、と言っているので全てが嫌いというわけではないように思います。
感想
カズ・ヒロさんは日本のような社会では自分の本領を発揮出来ず、アメリカへ渡ったのかもしれません。
アカデミー賞を受賞したことが示したようにアメリカでは人種に関係なく個人の能力を認めてくれるのだと思いました。
日本の社会には色々なしがらみがあり、やりずらいというのもわかる気がします。色々あって日本文化が嫌いになったのも想像がつきそうです。
国籍を変えた上で日本文化が嫌いとはっきり言う姿勢はさすがだとは思いました。
ちょっと海外に行ったくらいで日本を批判したりする人とは違うと思います。
しかし、その一方でやはり「日本の文化が嫌い」と言われるのを寂しくも感じました。
余談ですが、ちょっと強面のような印象があります。正直目が怖いなと・・・
一流の鋭い目つきですね。
中学校の時の上の学年に超怖い国語の先生がいたのですが顔がよく似ています。きっと性格も似ていると思います・・・
カズ・ヒロさんの経歴や作品についてはこちらをどうぞ
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