吉野彰氏ノーベル賞受賞の理由と内容。リチウムイオン二次電池とは

旭化成名誉フェロー・吉野彰さんが2019年のノーベル化学賞を受賞しました。日本人として27人目のノーベル賞受賞です。

吉野彰さんは「リチウムイオン二次電池(リチウムイオン電池)」の開発者として共同開発者のジョン・グッドイナフ米テキサス大オースティン校教授、マイケル・スタンリー・ウィッティンガム米ニューヨーク州立大ビンガムトン校特別教授と共に授与しました。

リチウムイオン二次電池が携帯電話から電気自動車まで電源として広く用いられ、情報化社会を支えたこと、クリーンエネルギーの普及に貢献したとして評価されました。

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ノーベル賞の受賞内容 リチウムイオン二次電池とは

電池は充電できるかできないかによって分類され、一回きりの使い切りの電池を一次電池(乾電池など)、充電が可能な電池を二次電池といいます。(充電池または蓄電池とも)いいます。

リチウムイオン二次電池とはリチウムを用いた充電可能な電池のことです。

リチウムイオン二次電池は小型で大容量で軽量という特徴を持つ、最も理にかなった二次電池といえます。

電池は「プラス極」と「マイナス極」、「電解液」の3要素から構成され、互いの極のあいだに電流が生まれ、放電し電力が生まれるのが電池の仕組みです。電圧はプラス極とマイナス極につかう材質より決まります。そして反応が進んで放電できる限界を超えると電力が生まれなくなります。

高い消費電力で、長時間、より多くの電力が発生する素材が求められ、このニーズを満たすのがリチウムイオンを使った二次電池です。

リチウムイオン二次電池は、容量だけではなく、充電池の寿命が他の充電池より長いことで、現在のデジタル機器が求める使用条件にとても合致しています。

吉野彰さんらのリチウムイオン二次電池の開発

1980年代から携帯機器の開発により、小型軽量で高容量な二次電池のニーズが高まり、新型二次電池が切望されていました。

その開発にはリチウムという元素が注目されていました。リチウムは最も軽い金属で、電気を生み出す反応を起こしやすく小型で高出力の電池ができる特徴がありました。

1976年スタンリー・ウィッティンガム博士はリチウムを電極に使い世界で初めて充電できる電池をつくりました。

1980年米テキサス大学オースティン校のジョン・グッドイナフ教授はリチウムをコバルト酸リチウムという化合物にしてプラスの電極に使う電池を考案し、高電圧で、何回も充電可能な電池の開発の可能性を示しました。

しかしリチウムの性質から二次電池は、発火・爆発する危険性があり実用化は困難でした。

1985年旭化成で研究開発に携わっていた吉野彰さんはマイナス極に特殊炭素材料を使い、プラス極にグッドイナフ教授が考案したコバルト酸リチウムを用いる方法を創出し、安全性を高め、小型化にも成功し、リチウムイオン二次電池の基本的な考え方を確立しました。

そして1991年リチウイオン二次電池はソニーにより商品化されました。

これをいまから30年以上前の1985年の時点で開発していたというのですからもっと早くノーベル賞を受賞してもよかったのに、何故今頃?とも思うのですが・・・

逆に知らない間にどれだけ恩恵を受けていたんだろう・・・現在の生活に欠かせないものですね。

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ノーベル化学賞を受賞できた理由 リチウムイオン電池は何をもたらした?

ノーベル賞選考元のスウェーデン王立科学アカデミーは「リチウムイオン電池は私たちの暮らしに革命を起こし、ワイヤレス社会、化石燃料を使わない社会の基盤になった」と、吉野さんらの業績を評価しています。

リチウムイオン二次電池は携帯電話やノートパソコン、デジカメをはじめとした電子機器などに広く使用され、携帯用IT機器の利便性は大いに増化しました。

また、電気自動車(EV)や鉄道などへの実用化が進んでいますし、太陽光などでつくった電気を蓄える電池として一般家庭にも普及してきています。さらに、ロケット、人工衛星、小惑星探査機、軍艦などにも搭載されています。

こうしてみると1990年代から起きた社会のIT化、モバイル化ですがリチウムイオン電池なしにはなかったでしょう。時代を切り開いた発明ですね。

我々はこの恩恵を知らないうちにかなり受けているのを今更ながら実感します。

今までノーベル賞で受賞したものというのはなんとなく一般の人間にはわかりにくい、難しそうな、よくわからないけどすごいんだ!みたいな感じでしたが、今回のこの受賞は自分たちの生活に直結しているもの、身の回りにあるもの、直接恩恵をうけている、とてもわかりやすいものですね。

いま、このパソコンを入力している眼の前にも使われているものがゴロゴロしています。

初めて買った充電池はウォークマンを使うために確か購入しました。ちょうど商品化されたころでした。あの頃は音楽を聞くのもまだテープでした。友達が使っているのを見てすぐ買いました。

いちいち電池を買わずに済むし、経済的で便利だと思い、飛びついて買いました。このような苦労があったのも知らずに。30年以上立ってからノーベル賞を受賞するとは想像がつきませんでした。

科学ってすげーなーって思いますけど、気づかないだけでこのようなものはもっとあるのかもしれません。

われわれは感謝しないといけないですね。技術者に、時代に!

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